性同一性障害とは

【性同一性障害】

性同一性障害は、英語の「Gender identity disoorder」を直訳した言葉で、頭文字をとって「GID」と略されることもあります。そして「性同一性障害(GID)」とは、性自認(こころの性)と生物学的性(からだの性)が一致していない、「性別違和」や「性別不合」の状態にある方たちの中でも、性別適合手術をなどの医療的処置が必要になる方々のことです。

日本で2例目に性別適合手術が公的機関として認められた、性同一性障害専門外来のある岡山大学病院にて、私は2015年に性別適合手術を受け、今では体も女性に戻り、戸籍上も女性となりました。


性同一性障害が起きる仕組みは未だ全ては解明されていませんが、胎児期に何らかの原因で体の性別とは別の方向へ脳の性分化が進むと考えられています。


現在でも性同一性障害は、親の育て方や環境によってなるもの、または後天的になるものと思われている方が多くいらっしゃいますが、性同一性障害は、先天的なものであり、自分の意志や、環境、育て方によってなるものでもありませんし、誰かが「性自認」を変えたり出来るものでもありません。そして、ましてや本人が好んでそうなっている訳でもないということを、知っていただきたいです。


2019年に開かれたWHO(世界保健機関)の総会で、WHOの国際疾病分類最新版(ICD-11)より、性同一性障害は精神疾患から外れ「性の健康に関する状態」という分類にもなりました。


性同一性障害は、英語の「Gender identity disoorder」を直訳したものなので、「障害」という名前が付いていますが、実際は病気でも障害でもなく、多様な性の在り方のひとつと現在では捉えれています。